絵本の読み聞かせが推奨されていますが、「読書は良い」という認識はあるものの、読み聞かせについては、実際どんな効果があるのかなんて全く知りませんし、特に興味もありませんでした。
今年度の小学校のPTAの活動の一つに「保護者による読み聞かせボランティアの実践」があり、正直言って「面倒臭い」とブツブツ感じながらもとりあえず参加する方向で動いていました。
ところが、読み聞かせボランティアを経験してみて、「やって良かった!!」という心境に変化しました。
私の気持ちの変化や、読み聞かせボランティアでの活動などについて、オススメしたいことがいろいろあるのでご紹介したいと思います。
絵本の読み聞かせが面倒臭いと思った訳は?
絵本の読み聞かせを実践している小学校の多くは、朝の自習の時間を活用しているところが多いようです。
他校での読み聞かせの話を聞くと、保護者は仕事に行く前だったり、職場に「今日は読み聞かせの当番なので遅れます」と遅刻の許可を得ていたり、とても大変そうだなと思いました。
ただでさえ忙しい朝のバタバタした時間帯に小学校に出向くのは面倒臭いと思いますよね?
他にも、読み聞かせボランティアをするにあたって、協力できない理由としては、
・小学生といえども人前で話すのが恥ずかしい
・学校のことなんだから先生がやればいいじゃん!
他にも理由はあると思いますが、こんな気持ちで参加しない、協力したいけどできないという保護者の方は多いのではないでしょうか??
私も同じように感じていましたが、PTAの運営委員会などで読み聞かせボランティアの話題が出ても、誰からも否定的な意見が出ないので、役員をしている立場上、「やるしかねーな」と腹をくくったというのが本音です。
読み聞かせ講習会で驚いたこと
子供たちに実際に絵本の読み聞かせをする前に、「木城えほんの郷」から講師をお招きして読み聞かせについての講習会を開きました。
その内容を少しご紹介します。
読み聞かせでの本の選び方
絵と文のバランスに気をつける
聞いている子供たちは、絵を見て情報を得ているので、言葉を聞きながら絵を読んでいます。
1ページに文字がズラズラと多すぎたり、絵があまりハッキリしないものはちょっと避けたほうがいいかもしれませんね。
長い絵本は集中できない
いくら大人が「これはいい絵本だから読んであげよう!」と思っても、それがダラダラと長い絵本だと子供たちの集中力が切れて聞かなくなってしまいます。
5分くらいで読める本がちょうどいいのではないかと思います。
絵本のジャンルと組み合わせ
・昔話や童話などの物語系
・ファンタジーやユーモアなど架空の創作物語系
・ダジャレ、言葉遊び系
・昆虫や自然、身体などの科学系
起承転結がハッキリした絵本だけでなく、言葉のリズムや手遊び、言葉遊びなどの絵本と組み合わせると、大人が絵本を淡々と読み、子供たちもただジーーーっと聞くだけではない、楽しい読み聞かせ会になりそうですね!
読み聞かせをする前にやっておくこと
読む本が決まったら、さすがに下読み(練習)した方がいいですね。
まずは、絵本を黙読する→そして音読してみる→実際に読み聞かせをする本の持ち方で読む
その時に、読むスピードや、絵本の表紙と背表紙もしっかり見せて、何分くらい時間がかかるかを測ってみるといいと思います。
もし自分が読み聞かせを聞いている立場だったら、あまりにも間違えすぎたり、途中でつっかかる回数が多かったり、ページのめくり方が遅かったりするとリズム感がなくなって絵本に引き込まれなくなりそうです。
絵本の読み方
さて、私が一番びっくり驚いたのがこの「読み方」についてです。
私は、さも登場人物になりきったように、カギカッコのセリフなどは、演技力たっぷりで表現してあげないといけない!という読み聞かせ像のイメージを抱いていました。
でもそうすると、子供たちは読み手の読み方の方に意識が向いてしまい、絵本の世界に入ることができなくなるのだそうです。
だからと言って、あまりにも淡々と読みすぎるのもダメ。
「言葉」と「絵」という情報を丁寧に伝え、子供と本をつないであげる架け橋になることが絵本の読み聞かせの目的だと講師の方がおっしゃっていました。
「子供たちの前で絵本を読まなきゃいけない」
そんな風に堅苦しく考えていましたが、この読み聞かせ講習会を受講して、なんだか私にもできそうだし、面白そうじゃん!とちょっと楽しみになってきました。
読み聞かせの打ち合わせと図書館へ
読み聞かせボランティアに参加してくれる方を募集したところ、12名もの保護者の方がご協力してくださることになりました!
なので、各学年2名ずつに分かれて、誰がどの学年を担当するか話し合いました。
担当もわりとすぐに決まり、みんなで「ドキドキするね〜」とか、「どの本がいいか子供に聞いてみよう」とか、なかなかの盛り上がりでした!
読む本を決めなければいけないので、私と一緒に6年生の担当になった方と図書館に本を借りに行きました。
小一時間ほど、あーでもないこーでもないと、お互い5〜6冊ほど選んで、その中から1冊ずつ絞ることにしました。
自宅に戻ると、ウチの子供たちが読んで読んでと大騒ぎで、一気に借りた6冊を読む羽目になってしまいましたが、こんなにも真剣に聞いてくれたり、自分でも声に出して読んだりして、多めに借りてきてよかったなと思いました!
あとは本番に向けて何度か読む練習をしました!
読み聞かせ、実は大人の達成感がスゴイ。
私は6年生の担当だったので、他の学年がどんな感じで進んでいったのかは分かりませんが、朝自習の10分間、読み聞かせが終わって、会議室に集まったボランティアのメンバーさんたちは、みんな笑顔でいっぱいでした!!
私が選んだのは「つきよのくじら」という絵本で、ゆっくり読んで約6分くらいだったのですが、本当にあっという間に終わりました!
やっぱりいざとなると、読み聞かせを始める前は、多少は緊張感が湧いてくるわけですよ・・・
だけど、子供たちは本当に真剣に絵本に見入っていましたし、読み終わってから「とても聞きやすかったです!」「初めて聞く話で面白かったです!」「声が大きくて分かりやすかったです!」など有難い感想をいただきました!!
読み聞かせボランティアに参加してくださったお父さん、お母さんたちも、「やって良かった」とおっしゃってましたし、私も最初に感じていた面倒臭さよりも、読み聞かせって思ったよりも全然簡単だなとハードルがかなり下がりました。
まとめ
やっと終わった〜というような疲労感は全くなく、すごく良い経験ができた!という達成感の方が圧倒的に強かったです。
校長先生や、教頭先生、各クラスの先生方もいっぱいお礼を言ってくれましたが、私としては、逆に「今日も一日頑張ろう!」というパワーをいただいて感謝しています。
まずは、第一歩を踏み出した小学校の読み聞かせボランティア。
これが毎日の日課になるとさすがに協力しにくいですが、自分の子供がお世話になっている小学校に、1年に1回、朝の10分間だけなら読み聞かせしてみようかな??と思ったら、ぜひ参加してみるといいと思います。
次回の読み聞かせ会の予定はまだ確定していませんが、これからまた計画していきますので、子供たちのためだけでなく、お父さん、お母さん自身もエネルギーをもらえますので、ぜひ挑戦してほしいと思います。